名税政のご案内

  1. 名税政のあらまし
    1. 名税政の目的 <税理士会の政治活動には限界>
    2.  近年、税理士が置かれている環境は日増しに厳しくなっており、税理士業界を取り巻く諸問題も政治の場で解決されることが多くなっています。しかし、税理士会は強制加入の特殊公益法人であるため、政党や国会議員などに対する政治活動が制限されております。

      そこで、現実的・効果的に政治活動を行うことを目的として、全国単一の税政連から独立して、名税政が昭和49年6月21日に発足いたしました。

    3. 名税政と名古屋税理士会 <税理士会とは表裏一体の関係>
    4.  法的組織としては別個ですが、名古屋税理士会の要望を実現するための政治活動を名税政が受け持つということで、不即不離たる表裏一体の関係といえます。

      そして、この政治活動を円滑に遂行するために、名税政と名古屋税理士会が常時連絡を取り合っています。

    5. 名税政と税理士 <全税理士が一つに結集してこそ政治力>
    6.  名古屋税理士会に入会している税理士は、その資格において、名税政の会員となることになっており、加入について特別の手続きを要しません。

      名税政は、例えば税制改正、税務支援対策、商法改正等、税理士制度や税理士の権益に関する問題について、いわば「税理士党」の立場から政治活動を通じて、解決を図ろうとする団体であって、税理士制度や税理士の権益に関係ない一般的な政治的主義主張を実現しようとする政治団体ではありません。

      このような目的を達成するためには、全税理士が一つに結集してこそ政治力を発揮できるものであります。

    7. 名税政と後援会 <国会の情報収集と国会議員等の後援会活動>
    8.  名税政の活動は、名古屋税理士会の方針を踏まえて、政党や国会議員などに働きかけ、これを効果的に行うため、税理士による後援会活動を通じて、国政レベルの選挙の支援活動を行っています。

      「税理士による後援会」は他の自由職業団体に例を見ないわが業界独特のもので名税政の日常活動の最重要施策の一つです。

    9. 名税政と財政 <会員各位へのお願い>
    10.  名税政は目的達成のため会員からの会費により運営されています。今後も活発な活動を展開するために会員の皆様のご理解とご協力をお願い致します。

  2. 名税政の活動実績と今後の課題
    1. 名税政の活動実績
      1. 昭和55年税理士法改正
      2. ①税理士業務について、従来の制限列挙の対象7税目から原則として全税目に拡大され、税理士が民間で唯一の税務の専門家になりました。
        ②会計業務を税理士の付随業務として明記されました。(これにより、税理士も会計の専門家として法律上位置付けられました。)
        ③税理士の使命を明確化しました。
        ④登録即入会制度になりました。

      3. 平成13年税理士法改正
      4. ①税理士が租税に関する訴訟において補佐人として弁護士とともに出廷し陳述することができるようになりました。(出廷陳述権を得ました。)
        ②税理士法人制度を創設させました。
        ③税理士会の会則の絶対的記載事項に研修と紛議調停に関する規定を追加しました。
        ④許可公認会計士制度を廃止しました。
        ⑤書面添付制度をより充実、発展させました。

      5. 社会保険労務士法改正
      6. ①昭和56年の社会保険労務士法改正では、税理士の行う社会保険労務士業の削除等を内容とするものでしたが、これを阻止しました。
        ②平成4年にも、税理士の行う社会保険労務士業務の削除等を内容とする法改正が予定されていましたが、これを阻止し、改正法案の国会への提出は見送られました。

      7. 建設業経理士問題
      8. 昭和56年~57年に起こった建設業経理士問題では、主務官庁たる建設省(現国土交通省、以下同じ)より、
        1. (1) 名称は建設業経理事務士と改める。
        2. (2) 将来的にも職業資格制度としない。
        3. (3) 建設業の経理、税務事務の改善を指導する場合は、税理士を十分活用するよう建設業界を指導する等の回答を文書で得ました。

      9. 不動産コンサルタント問題
      10. 平成3年~4年には、「不動産コンサルタント」制度創設問題が起こりましたが、関連士業6団体との共闘による反対運動の結果、主務官庁たる建設省は、
        1. (1) 新しい制度とはしない。
        2. (2) 知識及び技能審査試験を実施し、合格者には特別の名称を与えない。
        3. (3) 税理士法等を遵守させ、同法等の違反をさせない旨に改め、平成4年7月大臣告示がされました。

      11. 商法改正
      12. ①昭和56年、会計監査人監査の強制対象会社を狭め、会計監査人による任意監査の導入を阻止しました。

        ②平成2年、最低資本金制度の導入は、当初案より大幅に引き下げ資本金額を株式会社1,000万円、有限会社300万円にすることができました。また既存会社に対する増資等の猶予期間を5年にすることができました。

        ③平成14年、現物出資等の目的たる価格の証明・鑑定評価人になることができるようになりました。

      13. 税制改正
      14. ①昭和60年、源泉所得税の納付期限の特例適用者は、7~12月分を届出により翌年1月20日まで納期の延長を実現しました。

        ②昭和63年、税制の抜本改革に関連し、
        1. (1) 内職のような家内労働については、パ-ト並の取り扱いを実現。

        2. (2) 赤字法人への法人課税を、その実態、必要性から見送らせることができました。

        3. (3) 中小法人へ交際費課税の強化についても見送らせることができました。

        ③平成3年、商法改正に伴い最低資本金を充足するための特例措置として、
        1. (1) 株式会社が、利益又は準備金の資本組入れを行った場合、最低資本金の範囲内については、みなし配当課税を行わない。

        2. (2) 増資についての登録免許税を2分の1に軽減する。
        の2項目を実現しました。

        ④平成6年では、
        1. (1) 有限会社の最低資本金を満たすための資本増加に係る出資の払込に充てる利益配当の非課税措置を実現しました。

        2. (2) 相続税の基礎控除額の引き上げ及び税率摘用区分の幅の拡大を実現しました。

        3. (3) 相続税の小規模宅地の特例幅の拡充を実現しました。

        4. (4) 住宅取得資金贈与の特例対象限度額及び対象者の所得要件引き上げを実現しました。

        5. (5) 固定資産税評価額の引き上げに伴い、登録免許税及び不動産取得税について軽減措置を実現しました。

        6. (6)個人事業者の消費税申告書の提出期限について、期間を限定することなく「その年の3月31日」と定めることを実現しました。

        ⑤平成10年、法人の新規取得土地等に係る負債利子の損金算入制限措置の廃止を実現しました。

        ⑥平成11年、中小法人の軽減税率の引き下げ、いわゆるパソコン減税等の実施を実現しました。

        ⑦平成13年、贈与税の基礎控除額の引き上げを実現しました。

        ⑧平成14年では、
        1. (1) 同族会社の留保金課税の軽減等を実現しました。

        2. (2) 中小企業の交際費課税軽減を実現しました。

        ⑨平成15年では、
        1. (1) 留保金課税が特定の中小企業者等に緩和軽減措置を講じる。

        2. (2) 交際費課税が定額損金算入限度内の20%課税を10%引き下げること

        3. (3) 欠損金の繰越控除の期間延長

        4. (4) 免税事業者から課税業者になった場合の届出書の延長

        ⑩平成16年では自民党税制改正大綱において、「交際費課税」や「災害時における簡易課税制度の選択」等の要望事項が「検討 事項」としてとりあげられ、今後検討されることとなりました。

        ⑪平成17年度では、
        1. (1) 同族会社の留保金課税制度の見直しが実現しました。

        2. (2) 交際費等の損金不算入制度について、損金不算入となる交際費等の範囲から1人当たり5,000円以下の一定の飲食費を除外したうえ、その適用期限を2年延 長する等の要望項目が部分的ではあるが実現しました。

        3. (3) 消費税の課税選択についての届出期限の延長が実現しました。

        4. (4) 減価償却資産の損金算入規定の延長が実現しました。

        5. (5) 更正の請求できる期間についての新設等についても一定の成果が得られました。

        6. (6) 所得税の寄附金控除の適用下限額の引き下げが決まりました。

        7. (7) 相続税の物納制度についての大幅な見直しを行うこととなりました。


        ⑫平成18年度では
        1. (1) 特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度について、適用除外基準である基準所得金額が1,600万円に引き上げられました。

        2. (2) 特殊支配同族会社の留保金課税制度について適用対象から資本金の額又は出資金の額が1億円以下である会社が除外されました。

        3. (3) 事前確定届出給与について、その提出期限を役員給与を決議する株主総会等の 日から1月を経過する日に延長されました。

        4. (4) 減価償却制度については次のとおり改正されました。

          1. 償却可能限度額の廃止(平成19年4月1日以降に取得するもの)
          2. 残存価額の廃止(平成19年3月31日以前に取得されたもの)

        5. (5) 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除等の適用期限が3年間延長されました。

        6. (6) 電子申告に係る所得税額の特別控除制度が創設された。さらに税理士の電子署名のみで申告代理できる等手続きが簡素化されました。

        ⑬平成19年度では
        1. (1) 取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度の創設が衆議院で可決されました。

        2. (2) 特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制限規定は廃止にはいたらなかったが、「適用状況を引き続き注視する」旨の文言が与党税制改正大綱の前文に記載されました。

        ⑭平成20年度では
        1. (1) 永年要望していた法人税における欠損金の繰戻し還付制度の復活が実現しました。

        2. (2) 中小法人に対する軽減税率の引下げ(22%→18%)を実現しました。

        3. (3) 取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度が創設され、その内容が具体的に盛り込まれました。

        4. (4) 特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制限規定は廃止にはいたらなかったが、「その適用状況を引き続き注視する」と与党税制改正大綱に記載されました。

        ⑮平成21年度では、
        1. (1) 特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度の廃止が実現しました。

        2. (2) 交際費等の損金不算入制度について、資本金の額又は出資金の額が1億円以下である法人に係る定額控除限度額が年400万円から年600万円に引き上げられました。

        3. (3) 居住用財産の譲渡損失の繰越控除制度、少額減価償却資産の取得価額の損金算入特例などは、いずれも適用期限が延長されました。

        4. (4) 更正の請求期間の延長については、納税者権利憲章、不服申立制度などとともに、政府税調内にプロジェクトチームが設置され、平成23年度改正に向けた検討を行うこととなりました。

        ⑯平成22年度では、
        1. (1) 平成23年度税制改正大綱で、①納税者権利憲章の策定について、②税務調査の事前通知について、③更正の請求期間5年に延長について、④給与所得控除の上限設定について、⑤相続税の連帯納付義務制度について、⑥中小法人の軽減税率15%に引き下げについての要望項目が盛り込まれました。

        2. (2) 法人の実効税率引き下げに伴い、代替財源の確保の手段の一つとして、当初はすべての法人について欠損金の控除制限(所得の80%相当額)の措置を講ずることとされていましたが、中小法人(資本金1億円以下)は適用除外とされました。

        3. (3) 納税環境整備の検討事項として、税理士制度の見直しについて検討事項の中で「見直しに当たっては、税理士を取り巻く状況の変化に的確に対応するとともに、引き続き納税者の利便性の向上を図り、税理士に対する納税者からの信頼をより一層高めるとの観点をも踏まえつつ、関係者などの意見も考慮しながら、検討を進めていく」と大綱に明記されました。

        ⑰平成23年度では、
        1. (1) ①更正の請求期間を5年に延長、②給与所得控除の上限設定、③中小法人の軽減税率15%への引き下げ、④欠損金の繰越控除制限から中小法人の適用を除外、⑤相続税の連帯納付義務の改正が実現しました。

        2. (2) 税理士制度の見直しについて、平成24年度税制改正大綱に「税制の抜本的な改革を進めるに当たって、今後とも申告納税制度の円滑かつ適正な運営を確保していくためには、納税者と日常的に関わりを持つ税理士の果たすべき役割は非常に重要なものと考えられます。税理士制度については、税理士の業務や資格取得のあり方などに関し、税理士を取り巻く状況の変化に的確に対応するとともに、税理士の資質の一層の向上など国民・納税者の税理士に対する信頼と納税者利便の向上を図る観点から、関係者等の意見も考慮しながら、その見直しに向けて引き続き検討を進めます。」と記載され、今後の税理士法改正運動にとって一層の弾みとなりました。

        ⑱平成24年度では、
        1. (1) 交際費等の損金不算入制度における中小法人に係る損金算入の特例について、定額控除限度額を800万円(現行600万円)に引き上げるとともに、定額控除限度額までの金額の損金不算入措置(現行)10%が廃止された。

        2. (2) 非上場株式等に係る相続税等の納税猶予制度、いわゆる事業承継税制については、経営承継相続人等の要件の緩和、納税猶予の取消自由に係る雇用確保要件の緩和、利子税の負担軽減や猶予税額の再計算の特例の創設等の負担軽減、事前確認制度の廃止、手続きの簡素化等の見直しが行われた。

        3. (3) 税理士法改正については、平成25年度税制改正大綱に「税理士制度については、税理士の業務や資格取得のあり方などに関し、税理士を取り巻く状況の変化に的確に対応するとともに、税理士の資質の一層の向上など国民・納税者の税理士に対する信頼と納税者利便の向上を図る観点から、関係者等の意見も考慮しながら、税理士法の改正を視野に入れて、その見直しに向けて引き続き検討を進める。」と記載されました。


        ⑲平成25年度では、
        1. ①復興特別法人税の1年前倒し廃止とともに、復興特別所得税の還付手続きのためだけの復興特別法人税申告も廃止され、消費税については、②単一税率が維持されることとなり、③公平な税負担の観点から、簡易課税制度のみなし仕入率が見直された。 また、納税環境整備の分野では、不服申し立て前置としての異議申し立てをしないで審査請求ができるなどの不服申立制度の見直しが税制改正大綱で明示される等一定の成果を挙げることができた。 しかし、②の項目については、10%導入時に軽減税率の検討がされることとなっており、引き続き断固反対の運動を強力に推し進め、単一税率の維持に努めなければならない。


        以上のとおり大きな成果を実現してきました。

    2. 名税政の今後の課題
      1. 税理士法改正について
      2.  平成25年12月12日平成26年度与党税制改正大綱が決定され、納税環境整備の一環として「税理士制度の見直し」が明記された。見直し項目は12項目に及んだが、特に「公認会計士に係る資格付与の見直し」については、何度も関係者による折衝が行われた。政府は、平成26年2月4日に上記に係る法律案を閣議決定し国会に提出、ついに、税理士法の改正を含む「所得税法等の一部を改正する法律案」が、3月20日の参議院本会議で可決・成立した。

         今回の改正は、申告納税制度の円滑かつ適正な運営に資するよう、税理士に対する信頼と納税者利便の向上を図る観点から、税理士の業務や資格取得のあり方などについて、数多くの重要な見直しが行われた。特に、税理士業界にとって永年の課題であった公認会計士への税理士資格自動付与の廃止が実現したことは、極めて意義深いものがある。このほかにも、調査の事前通知の規定の整備、補助税理士制度の見直し、事務所設置の適正化、電子申告等に係る税理士業務の明確化など、税理士業務の改善に関する改正項目、租税教育への取り組みの推進、税理士に係る懲戒処分の適正化、税理士証票の定期的交換、会費滞納者に対する処分の明確化など、税理士の信頼性の確保に関する改正項目が含まれている。

      3. 税制改正
      4.  租税制度は国家財政の基盤です。わが国における唯一の税務の専門家であるわれわれ税理士は、常に納税者の視点にたった税制改正要望の実現を図るため運動を継続する必要があります。

      5. 公益的業務
      6.  包括外部監査人制度、成年後見人制度、登録政治資金監査人制度等、公益的業務の担い手として税理士が社会から期待されています。

         税理士の一層の社会的地位の向上のためにも、これらの業務へ積極的に参画する運動をする必要があります。